日本凋落の兆し

SankeiWebに【やばいぞ日本】と題するニュース特集がある。その初っ端で『序章 没落が始まった(1)「ダイナミズム失う」』と警鐘を鳴らしている。その冒頭で衝撃的な事実が紹介されている。

欧米の有名大学院に派遣された各省の若手エリート官僚の中に、以前にはな[かった悲惨な落ちこぼれ現象が起きているという。経済学や論理学の授業についていけずに単位を落とすケースが増えつつある。
東大法学部卒のある若手官僚は、優秀な人材として出身省でも将来を嘱望されていた。彼は欧州の大学に研修留学して現地語はみるみる力をつけた。
ところが、数学力不足から経済理論がこなせず、論理学は古代ギリシャ哲学など基礎を学ばないから論理的に崩れのない文章が書けない。1年後に担当教授から呼び出され、学業不振で退学処分になってしまった。

数年前に、数学を学ばずに経済学部に、生物を履修せずに医学部に、また物理をやらずに工学部に入る学生が多いとの報道に接し、唖然とした覚えがある。SankeiWebで紹介された事例は基礎学力の欠如が招いた悲劇的な結果を示すものだ。
この事態は現在の教育が大学入試に通ることを最終目標とし、記憶力を偏重することに起因する。この事態を改善する第一歩として、入学試験を昔のように総て論述式に戻し、論文(作文)を重視するように変えるべきである。それに続く第二、第三の対策は別の機会に譲る。この事態の改革に失敗すれば、日本の将来は無い。