凄い相撲だった結びの二番

魁皇と琴光喜、千代大海と白鵬の二番は、どちらも相撲の醍醐味を堪能させる大一番だった。琴光喜の鋭い立会いに、満身創痍の魁皇も負けじと踏み込み、やや押されはしたが腰の備えを崩さず、琴光喜の左腕を手繰って態勢を崩し、双差しとなって渾身の力で寄り立て、土俵際で踏ん張ろうとする琴光喜を下手投げで土俵に這わせた。白鵬は千代大海に当たり負けしたが、相手の右腕を抱えて再三のとったりで振り回す。千代大海はそれを残して腕を振りほどき、再三再四突っ張って出たが白鵬に撥ね返され、最後千代大海がやや泳いだところを右から突き落とされた。この一番、千代大海の再三の激しい攻めに対して白鵬も引かず、最後この瞬間しかないと言う絶妙のタイミングで千代大海の攻めを外して勝った。
どちらの一番もこれぞ大相撲と言うべき手に汗握る展開だった。魁皇にとっては最後の花道を飾る一番ではなかったか。