予想を覆された結びの二番

今場所の白鵬は、先場所と比べると僅かな隙があった。先場所は立つと直ぐに左で前褌を取り、流れるような取り口で相手を土俵の外に持って行く相撲が多かった。今場所はそれが見られず、右は差しても左を取るのが遅く、投げが多かった。これが今場所の白鵬の僅かな隙だが、そこを衝くとしたら日馬富士だろうと見ていたが、昨日の一番で白鵬は左上手が取れなかったにも拘わらず、終止態勢を崩す事が無く、日馬富士も付け入ることが出来なかった。これでは白鵬を倒せる者は居ないと思ったが、何と今日の琴欧洲は見事に白鵬の隙を衝き、大きな白星をもぎ取った。立つなり琴欧洲は左上手を取り、白鵬に右下手は取られたが左上手を許さず、上手投げで横綱を横転させた。これは琴欧洲の一番良い形なのだが、それがこの大一番に出るとは思いもしなかった。
結びの朝青龍日馬富士の一番は、両者右四つに渡り合い、朝青龍は二度も相手の上手を切りながら何故か攻めが無く、一方上手を取り直した日馬富士はぐっと引き付けておいて外掛け。朝青龍は仰向けに土俵に落ちた。この時朝青龍は腰を痛めたらしく、両脇を抱えられて下がって行った。明日取れるか心配。
今日の結果で朝青龍の優勝は、千秋楽で白鵬日馬富士が共に敗れない限り無く、白鵬日馬富士の優勝決定戦となる可能性が高いと見た。