中国の世界戦略

櫻井よしこ氏は『技術大国・日本は「中国の下請け」になる]』で、中国の国家戦略の恐るべき一端に触れている。中国はODAの供与、武器売却など、あらゆる手段でアフリカ、アジア諸国に支持を広げてきた。これは資源確保を目的としていることは広く知られているが、それだけではない。国際標準化機構の幾十もの委員会は大国も小国も皆一国一票制である。アフリカ、アジア諸国の支持を得られれば、標準化を審議する委員会でも中国は有利となる。このように国際標準の覇権争いでも、中国は国家ぐるみの対策により、自国の地歩を固めることに着々と成功しつつある。今日再可決したテロ特措法は、本来は国家戦略の観点から論じなければならない性格の問題であるのに、そのような思考のかけらも持たない我が国政治家は、亡国への道の案内人と言われても仕方無いであろう。