気になる言葉遣い

最近、「・・して頂いて宜しいですか」と言う言葉遣いが流行っている。そもそも「・・して宜しいですか」と言う言い方は、自分がしたい行為に対する許可を求める場合に使う言葉である。例えば、自分が見たいものがそこにある状況で、「拝見して宜しいですか」と言うのはごく自然な言葉遣いである。これに対する返事はYesかNoである。Yesの意味で「どうぞ」と言われたら、許可を得た人はそれを手に取って見ることができる。だが、見たいものがそこにない場合、例えばどこかに仕舞ってあったり、先方の鞄の中にある場合、「見せて頂いて宜しいですか」と尋ねるのはおかしい。「どうぞ」と言われたら、仕舞ってあるものを探しに行ったり、また相手の鞄を開けて取り出すのだろうか。
兎に角「・・して宜しいですか」と言う言い回しは、相手に何らかの行為を依頼したり促したりする場合に使うのは間違いである。しかし最近はこちらに何らかの行動を要求する場面で、しばしばこの言い方にぶつかるし、今日もあった。先日も某社で免許証か保険証の提示を求める場面で、鞄の中に入っていてそこに出ていないのに、見せて頂いて宜しいですかと言われた。どうぞと返事したらどうする心算なのだろうか。言葉遣いの無神経さに苛立ちを覚える。TPOにそぐわない言葉遣いは沢山ある。気が付いた時にまた取り上げよう。