情報統制を超えて漏れ聞こえるラサの悲鳴

北京駐在の福島香織産経新聞中国総局記者)の『情報統制を超えて漏れ聞こえるラサの悲鳴をきけ!』は、今起きているチベットの騒乱について、マスコミが報道しないチベット族の悲痛な叫びを伝えている。
今回の抗議行動の発端は、漢族の大量流入により、チベット族の文化、伝統、くらしは完全に破壊されると言う危機感のようだ。中国政府は更に漢族300万人の移住を計画していると言う。これが事実かどうか確認は取れていないが、本当に実行されればチベット族は漢族の埋没してしまい、民族の消滅に繋がると言う追い詰められた気持ちになったとしても不思議はない。
今回の騒乱は周辺の四川、青海、雲南、甘粛などの各省に飛び火し始めた。欧米各国においては抗議デモが起きているらしい。チベットは中国固有の領土ではなく、明らかに中国の侵略であるが、ダライ・ラマ14世は独立でなく高度の自治を要求している。それに耳を貸さない中国政府に対し、今後国際社会がどのように対応するかが注目されるが、日本も態度を鮮明にすべきではないのか。
チベット騒乱の死者の数は、中国政府の発表よりずっと多いことは誰しも思うことであるが、衛星画像をチェックすると500人を越えると言う報道もある(ココ)。海外ではこのように中国政府の発表と大きく異なる報道や、各国での抗議デモの動画もあり、日本で感じる程度を遥かに越えた深刻さを伝えている。中国政府が隠しても、マスコミが口を噤んでも、インターネットが有るため隠し切れるものではない。