下村侑博士に感嘆

下村博士はフルブライト奨学金で昭和35年に留学なさったとのこと。あの時代、フルブライト奨学金を貰ったとは、極めて優秀な方であった証拠である。蛍光蛋白の話は近年になって知ったばかりで、留学した翌年に蛍光蛋白を見つけていらしたとは知らなかった。東京オリンピックの3年も前である。その頃日本はまだ復興の途上で、国民皆が食うや食わずで働き、外貨準備も僅かしか無く、海外渡航など夢のまた夢であった時代である。昭和39年にRCAに出張した時も、申請して僅かなドルの割り当てを受け、帰国するまで金が持つかと冷や冷やの毎日だったことを思い出す。そんな時期に早くも受賞の対象となった業績を上げていらしたとは、凄い方と敬服のほかは無い。それと同時にフルブライト奨学金に感謝したい。何故なら、もし同奨学金が当時の日本人に与えられなかったら、下村博士の留学は無く、当然今回の栄光も無かったであろうからである。