巨人−横浜戦、9回の珍妙な攻防

今日の巨人−横浜戦の9回表裏は、前代未聞の珍妙な攻防だった。横浜2点リードの9回表、2アウトでラミレスの打球は一塁・二塁・ライトの中間に上がった何でもないフライ。3人が追い掛け、お見合いしたのか落下点の手前で三人とも足が止まり、二塁手が慌ててグラブを出したが届かず落球。試合終了の筈が、ランナー二人が帰って同点。
今度はその裏、ピッチャー山口に代打を送らずそのままバッターボックスへ。山口は抑えの投手で代わりが居らず、代打を出せなかったのだろう。抑えの投手では打席に立つ機会は無かった筈。三振でも仕方ないくらいの心算だったと思われるが、何とショート右を抜くヒット。確かに甘い球ではあったがびっくり仰天。バントで二塁に送り、次ぎの打者はラミレスの打球を取れなかった二塁手。2ストライクの後、バットを出したがフォークボールが手前でワンバウンド。本来なら空振りの三振になる筈だったが、バウンドした球が出したバットに当たると言う幸運。そしてその次ぎの球を三遊間を抜くヒット。これでワンアウト一・三塁。巨人は次の打者内川を敬遠して満塁とし、4番の村田と勝負に出た。内野ゴロでダブルプレイを狙ったのだろう。村田は初球を空振り、二級目はアウトローぎりぎりのストライク。三球目はアウトハイの釣り球でボール。次ぎの四球目はインハイのこれまた釣り球。バッターの体を起こしておいて、五球目にフォークの心算だったのだろう。ところが村田は球を避けた格好はしたが、球は袖口をかすめ、痛くも痒くもないデッドボール。これで三塁ランナーは押し出しでホームを踏み、横浜のサヨナラ勝ち。村田は袖口がだぶだぶで良かったと苦笑い。
9回の表は誰しもが試合終了と思ったのが落球で同点となり、裏には代わりの投手がいないのでそのまま打たせたのを手始めに、最後はだぶだぶの袖口をかすめるデッドボールで決勝点が入ってサヨナラ勝ちと、予想もしない珍妙な展開を見せた。この試合経過は後世の語り草になるだろう。