渥美國泰君が亡くなっていたとは

今日何気なく「南京の真実」のスタッフブログを覗いたら、『渥美國泰氏の訃報に接して H21/2/18』が目に入った。同記事によると、2月5日に亡くなったとのこと。彼と最後に会ったのは2007年2月12日だから、もう2年以上も前になるが、彼が所蔵していた下村為山の作品の一部を子規博で特別展示した時であった。展示する作品は学芸員のW氏が上京して決めたのだが、彼はW氏がどれを選ぶか何も言わずに見て居た所、良い物を選んだと、その選択を非常に誉めていた。この人が居るなら譲っても大丈夫と、譲渡を決意し、展示が終わった後そのまま子規博の置いておくと語っていた。彼のブログによると、為山作品三分の一、約六十点を譲渡したと記されていた。
彼は根っからの俳優で、高校3年の文化祭の出し物は今でも場面が目に浮かぶ。その年の高校演劇コンクールで優勝し、卒業と同時に俳優座附属俳優養成所に飛び込んだ。いつ頃だったか忘れたが、テレビドラマで森繁久彌の相手役を演じていた。江戸時代の書画にも造詣が深く、江戸民間書画美術館を開設し館長となり、美術評論家としても活動していた。「南京の真実『七人の死刑囚』」で土肥原賢二役を演じたのが、彼の最後の仕事となった。もっと活躍して欲しかったのだが、何とも残念だ。ご冥福を祈るのみ。