久し振りに見る投手戦

島根県立正大淞南山口県華陵の一戦は、両チームとも投手が素晴らしく、8回を終わって0−0の同点。稀に見る投手戦だった。
9回表に華陵が1アウト2塁のチャンスに、レフト線に放ったライナー性の当たりを、淞南のレフトが良く追い、最後ダイビングして取ってしまった。これが抜けていれば華陵に1点が入るところだった。淞南の崎田投手が胸に手をやって助かったと言う表情をしていたのが印象的だった。
その裏、ファインプレイをしたばかりの選手(後藤?)が、それまで好投していた華陵の安達投手の初球がやや甘く入って来たのを見逃さずサヨナラホームラン。この試合、安達投手のコントロールミスはこの一球だけ。それまでは速球やスライダーが内外角のコーナー一杯に決まっていて、淞南打線は手も足も出なかった。淞南の崎田投手も負けず劣らず速球と変化球をコーナーぎりぎりに決め、華陵打線に打たせなかった。そのため県予選を大量得点で勝ち上がって来た両チーム共打線が沈黙し、恐らくは今大会最高の投手戦を見せて呉れた。今日の両チームは準々決勝か準決勝以後に戦わせたかった。惜しくも華陵は初戦で消えたが、最後まで素晴らしい戦い振りで、胸を張って良い。