尖閣ビデオは秘密情報たり得るか

否。第一に、前に書いたことだが、記者があの場に居たら即座に報道している筈の映像であり、機密情報とはなり得ない。第二にあのビデオは中国の手口を海上保安官が知悉するための研修用に作られたもので、保安官全員が見るべきものであり、この段階では機密情報ではなかった。この間にマスコミが入手して流していたら、特種扱いになっただろう。
現にこの時期に、中国漁船が二度ぶつかって来たこと、海上保安官が海に突き落とされ、漁船が乗り上げようとしたこと、更には銛で突いたこと、保安官が二人死亡したこと等が洩れ聞えている。この事実は機密扱いになる前の段階でビデオを見た人が大勢居て、その内容が口から口へと伝わったことを意味する。
そのように多くの人が見たり聞いたりした後に、中国人船長を釈放する段階になって機密情報の指定をすることが妥当とは考えられない。
機密指定になる以前に見たり聴いたりし人を咎めることが出来るのか、否だろう。そんないい加減な状況なのに、ビデオを流出させた保安官を公務員法違反だと言っても、余りにもご都合主義的で国民は納得しないだろう。そんな理屈を無理矢理通そうとしたら、だれも国を守ろうとしなくなる怖れがある。かの保安官の罪を問うより、菅や仙谷の責任を問うべきである。