地震研究は先史時代まで遡れと米学者

米国の地球物理学者で、沈み込み帯の地質・地震研究に携わり、2004年から東北大学地震・噴火予知研究観測センターの招聘研究者として、教壇にも立つスティーブ・カービー(Steve Kirby)氏は、地球の先史時代における地震津波のデータを調査する研究を推進しなければならないと指摘し、更に、日本が復興に向けて歩み出す際には、津波や台風で繰り返し災害に遭っている地域に建設許可を与えるべきかどうかを再考する必要があると問題提起をしている(ココ)。
この見解には全面的に同意する。貞観地震は今回同様の巨大地震で、津波が内陸深くまで襲っていること、そしてそのような巨大地震は1000年周期で起きていることなどが、近年の研究で判って来たと聞く。今一つ、貞観地震の起きた同じ年に西の方にも大地震が起きているらしいという指摘も為されている。つまり、東北地方の巨大地震が引き金となり、房総沖から東海、東南海、南海地震が続けざまに起きる恐れが強いということである。
それを明らかに出来るのは、考古学的手法による調査・研究しかないだろう。巨大地震津波と言う恐ろしい自然災害に立ち向かうには、スティーブ・カービー氏の提言を真摯に受け止め、先史時代からの地震津波の研究に力を入れ、同時に海岸での建設をどう考えるか、真剣な検討を開始すべきである。