伊達公子の眼の凄さ

何日か前、松岡修造が伊達にストレートとクロスを打ち、伊達がどのタイミングで松岡が打つコースを見分けているか実験した映像を見せていた。その結果、伊達は松岡が打つ前にコースを判断していることが判った。
伊達がコースを見分けるタイミングが、相手が実際に打つ時より早いと言う事実は、試合でも感じていた。相手がサーブを打つまえに伊達は移動を始めている。以前フェデラーも同じように、相手がサーブを打つ前に移動を始め、打球はフェデラーが移動した方に打たれる。どうして打球のコースが事前に判るのか不思議だった。打たれる直前なら素人でも判る時があるが、フェデラーも伊達もかなり早いタイミングで予測している。
松岡はその謎を解明してくれた。相手の態勢を見ること。これは判る。その上、驚いたことに伊達は相手の目がどこ見ているかを見て居たのだ。テニスコートのベースライン間の距離は、23mを越える。そんな先に居る相手の目がどこを見ているか、それが見えるとは本当に驚きである。フェデラーも同じなのだろう。
かって打撃の神様川上は、大きなボールが目の前に止まって見えると言い、王は球の縫い目が見えると言った。剣の達人は相手の剣の動きがゆっくりに見えると聞いたことがあるが、伊達やフェデラーの境地もその域に達しているのだろう。