フェデラーも復活優勝

フェデラーがアンディ・マリー(英国)を破り、7度目の優勝を果たした。ウィンブルドンで7回の優勝はウィリアム・レンショー(英国)及びピート・サンプラスに並ぶ最多。世界ランキングも1位に返り咲き、サンプラスが持つ世界1位の通算最多286週に並んだ。
勝戦は最初のゲームをいきなりブレイクされ、第一セットを失った。マリーはサーブも強烈でレシーブ力もあり、ストロークも強くフェデラーは最初押され気味だった。その状態は第二セット終盤まで続いたが、フェデラーは崩れずじっと持ち堪え、第12ゲームを逆転でブレイクし、セットを奪い返してしまった。この後も数字の上では暫く拮抗状態が続くが、精神的にはフェデラーが優位に立ったような気がする。そう感じたのは、フェデラーのプレイが明らかに攻撃的になり、相手を圧倒しようとし出したように見えたからだ。
第三セットはマリーもしぶとく対抗したが、フェデラーが第6ゲームを長い競り合いの末ブレイクし、第三セットを奪った。マリーの健闘も実質的には此処までで、第四セットもブレイクされたのは1ゲームだけだが、マリーにもう勝機はなかった。
この試合、フェデラーの精神力の強さをまざまざと見せられたように思う。立ち上がり押され気味の間は無理なプレイを避けてじっと耐え、崩れることが無かった。そして時期が来たと見るや一転して攻撃的なプレイに転じ、終止相手に圧力を掛け続けた。マリーも良く対抗したが、以後主導権を奪い返すことは出来なかった。際どい所に厳しい球を打とうつすればミスも出る。しかしフェデラーはこの姿勢を最後まで押し通した。その姿を見て、昔サンプラスが、アガシとやる時はリスクを覚悟しないと勝てないと言ったのを思い出した。この精神力の強さ、試合運びの上手さは優勝を重ねて来た者の底力と言うものだろう。昨日のフェデラーは、ナダルに敗れた時よりも強くなっているように感じたがどうだろう。