西法寺にのみ存在する桜の貴重種の保護・増殖

西法寺には現在ここにしか無い桜が三種類有る。第一は1300年の歴史を持つ薄墨桜。第二はその薄墨桜と染井吉野との自然交配種の西法寺桜。第三は薄墨桜と大島桜との自然交配で生まれた新西法寺桜である。
薄墨桜の初代は800年の寿命を誇り、2代目は400年経った時、平成6年の松山の大渇水で惜しくも枯れてしまった。この時、幸いにも接ぎ木で増やす試みが成功していて、5本の苗が西法寺に帰り、薄墨桜は絶えること無く繋がった。その後、バイオでの増殖が試みられ、最初に2本が西法寺に移され、昨平成13年3月5日に30本の苗木が里帰りした(ココ)。
西法寺桜については、水差し枝から発生した芽を元に培養に成功したことが平成9年に産経新聞で報じられ(コ)、次いで平成10年に再び愛媛新聞で報道された(ココ)。
新西法寺桜についてはまだ聞いていないが、同様の努力が続けられていると思われる。このバイオ技術を使った増殖の試みは、単に西法寺にある三品種の保護のためだけではない。樹木の貴重種は老齢化が進んでおり、それらの保護は重要な課題となっていて、そのためにも西法寺の基調種の増殖で得られたデータや経験は大いに役立つはずである。
 最初に戻って来た薄墨桜(接ぎ木)。
 写真の右側に並ぶのがその後に戻って来た薄墨桜(接ぎ木)。中央左は新西法寺櫻(自然交配の実生)。
 バイオ技術で増やされた薄墨桜(つまりクローン)。

【訂正】大ぽかをやらかした。三番目の写真を入れ替え。これは去年写した写真。昨年の西法寺の写真をチェックしていて間違いに気が付いた。ご覧頂いた方には申し訳なく、そそっかしいミスをお詫びします。