言葉の変化

石原慎太郎橋下徹日本維新の会を分党することで合意した。しっきりと別れたのだから、これはこれで良いだろう。
「分党」で頭に浮かぶのが「分祀」。靖国神社からA級戦犯分祀しろという意見をしばしば聞くが、これを言う人は「分祀」の意味を知っているのだろうか。「分祀」とは「分けて祀こと」で、「本社と同じ祭神を別の新しい神社に祀ること」(広辞苑第六版より引用)である。つまり祀る神社を増やすことであって、祀るのを止めることではない。だから分祀論には諸手を挙げて賛成したら良い。
もう一つ気になる言葉遣いがある。それは捜査を最近は捜索と言うようになったことだ。この変化はオーム事件の報道からのように思う。捜索とは、遭難者を捜索すると言うように探す対象が目的語として付くのが普通である。捜査とは犯人および犯罪事実に関する証拠となるものを探し収集することで、探す対象を特定することは出来ない。更にモノを探すだけでなく、事情聴取も状況の観察も捜査のうちである。だがこれらを捜索とは言わないだろう。それなのに近頃は捜査員が家宅捜索に入ったと言う言い方をする。こんな言い方を聞くと、家宅捜査だろうと思わず悪たれを飛ばしたくなる。
まだ色々とあるが、今日はここまでで止めておこう。