雇用の拡大に必要なこと

衆議院議員の総選挙が告示され、各党とも雇用の拡大、安定化を自党の政策に掲げている。アベノミクスで景気は回復しつつあるが、雇用は期待したほど良くならず、低所得層は景気が良くなったとは実感出来ずに居るのも確かである。
これは景気が更に良くなれば解決する問題ではないように思う。産業構造の変化が根本問題となっているのではなかろうか。昔は一つの工場に何千人も働いているのは珍しくなかった。研究・開発や設計などの頭脳労働に比べて、単純労働に従事する人数の方が遥かに多かった。しかし今では機械化が進み、ロボットが人間に代わって多くの仕事をこなしてしまう。そのため一つの工場で働く単純労働者の数は驚く程少なくなってしまった。IT産業などその極端な例ではなかろうか。
景気が回復した割に求人が増えず、雇用が拡大しない理由はここにあるように思う。これが当たっているなら、仕事を求める求職側のあり方も根本的な転換が必要となる。時代に応じた能力を身につけること無しに仕事にありつける時代は去ったと認識しなければなるまい。食って行くためには優れた技術・技能を持つこと、仕事を求めると言うより仕事を創り出して行くことが求められる時代になったと考えるべきではなかろうか。大変な時代になったものだ。