英国人アナリスト デービッド・アトキンソン氏の提言

1990年代、日本の銀行が抱える不良債権額が20兆円にも上るとするレポートを書き、銀行業界に大論争を巻き起こしたデービッド・アトキンソン氏が、「文化財保護予算を増やせば景気回復に寄与する」と説く。詳しくはココを読んでほしいが、その中で二条城を例に挙げ、「ご存じのように、二条城は徳川慶喜大政奉還を諸大名に伝えた大広間があり、日本の歴史を語るうえでも非常に重要な観光スポットですが、外国人観光客の多くはそのような歴史ドラマがあったことさえ知らないので、将軍や大名などの人形が置かれた部屋をとりあえずカメラで記念撮影して足早に去っていきます。文化財を楽しんでもらおうというサービス精神がまるでない。これでは外国人からすれば、ただの“古いハコ”を見ているだけですから面白いわけがありません」と述べている。そして更に、 「文化財修理は先端技術ではなく基本的に伝統技術。しかも非効率的な作業のため多くの人員を必要とします。つまり、多くの雇用を生み出すことができるのです。事実、イギリスでも地方の若者に対する雇用効果があらわれています。学歴などは関係なく、技術のみが求められるので、これまで製造業の担い手だった若年層の雇用にも大きく貢献できるのです」と説く。
全く同感で、湯築城についても同じことが言える。例えば湯築城の形状についても説明するには30分はたっぷり掛かる。城内に往時の住居を2棟復元しているが、その説明にも1時間くらい必要だろう。それだけの内容があるのに、何の説明版も無く、県はガイドの養成も碌にして居ない。
デービッド・アトキンソン氏の言う通り宝の持ち腐れで、何とも勿体ない話だ。地元の人間が理解していないのだから、活かす術が浮かばないのも当然だ。本当にじれったい。