一票の格差是正に合区が議論されているが・・・

参議院選一票の格差是正のため、人口の少ない都道府県選挙区を統合する「合区」が議論されている。一票の格差を無くすことだけに目を奪われず、意見の集約方法を視野を広げて見直すべきではなかろうか。
アメリカでは、大統領、上院議員、下院議員の選出方法はそれぞれ異なる。大統領の選挙は獲得した選挙人の数が多い方が選ばれるが、選挙人は各州毎に人口比例で割り当てられ、州内で支持の多かった候補がその州の選挙人を全部獲得するので、全体としては大きな州の力が優る。上院議員は各州二名ずつなので州の大小に関係なく、上院は全州同じ力を持つ。下院議員は各州に人口比例で議員数を割り当てる。
この選出方法から言えることは、大統領の選出には大きな州の意向が強く反映される。つまり大国の論理がまかり通ることになる。しかし強大な権限を有する上院は、大きな州も小さな州も力は同じ、つまり州毎の力は平等である。下院は議員の力が平等である。
我が国では衆議院参議院ともアメリカの下院と同じ選出方法で議員を選んでいる。今一票の格差を無くそうと議論が為されているが、衆議院参議院の議員選出方法が同じである必要が有るか、この点を考えて見るべきではなかろうか。
参議院アメリカの上院と同じく、議員数を各都道府県とも2名ずつ割り当てるのはどうだろうか。この場合、一票の格差は問題ではなくなり、参議院は各都道府県の意向が反映されることになり、地域創生の理念にも合致するのではなかろうか。
一度選挙方法を根幹から考え直して見ることを提唱したい。