岩泉町の老人ホームにおける死亡事故で思うこと
岩手県岩泉町の老人ホーム「楽ん楽ん」において、台風10号が齎した豪雨による氾濫で入居者9人が死亡という痛ましい事故が起きた。亡くなった方々のご冥福を祈るしかない。
岩泉町ではこれだけでなく、大量の行方不明者が出ているという。そのような大きな被害が出たのは何故かと、Googleの地図と航空写真で調べて見た。
先ず、岩泉町とは小本川沿いの谷筋の町である。その谷は昔そこを流れる水が削ってできたもので、その幅は2〜300mしか無い。高齢者グループホーム楽ん楽んが建つ場所は、その谷筋の小本川沿いの僅かな平地であり、昔は川底だった場所であろう。小本川は今は小さな川だが、大雨が降れば一気に川幅を増し、氾濫するのは容易に想像できる。
1時間当たりの雨量が最大30mm程度であるなら問題は無いのだろうが、近年の雨量は80mm、90mmはざらで、多い時は110mm、120mmと報じられることは珍しくない。これほど降ると小本川は谷筋一杯に溢れ、昔の姿に戻ってしまうのだろう。今朝の新聞に水位を示す写真が載っていたが、人の背丈を遥かに越え、二階に避難していても危ないと推測される。現に隣の施設では3階に避難したと聞く。高齢者グループホームが平屋だったので、急激な水位の上昇に対処しようが無かったのだろう。
航空写真から見る限りでは、岩泉町が広がる場所は、小本川の河川敷と言うべき所。昨今のように異常気象が続くようでは、町全体が高い所に移転するしかないように思われる。だが地図で見る限り岩手県全体が岩泉町と似た条件下にあると言うべきかも知れない。どう解決したら良いのか、思案に苦しむ。