中村哲さん襲撃され死亡

 アフガニスタンで長年に渡り医療支援や農業支援、灌漑事業の指導をしていらした中村哲医師が、アフガニスタン東部ナンガルハル州ジャララバードで4日、武装勢力に襲撃され亡くなった。中村さんは砂漠に水路を開き、砂漠を農地に転換したことで知られ、2018年にはアフガン政府から勲章を、今年10月には外国人として初めての同国の名誉市民権を授与された方である。そのような方を誰が襲撃したのか。タリバンも日本のNGOは標的にしていないと、中村さんの襲撃を否定している。それは本当だろう。

 中村さんは砂漠に水路を開くに当たり、特筆すべき点は重機などを必要とする最新工法を使わず、日本の古来の河川整備法を採用したことである。日本で古来から使われ、今尚残る工法であれば実績も有り、重機などを必要としないので、何かあっても現地の人達で復旧することが出来る。中村さんはそこまで考えて灌漑事業を指導し、かっては砂漠だった所を立派な農業地帯に変えてしまった。このような人を襲撃するとは気狂いとしか言い様が無い。本当に惜しい方をなくし、無性に腹が立つ。アフガニスタン政府でもタリバンでも良いから、一刻も早く犯人を捕まえて欲しい。

 中村哲医師のご冥福を心より祈る。