共感を得るには

昔上司だったFさんからある時、人を見る目が厳しすぎたら人はついて来ないと諭された。全く隙の無い正論を述べても、人々の支持を得られるとは限らない。話は判っても反発を感じたり、何故か共鳴できない場合、人の賛同は得られない。共感を得るには、人を見る目の暖かさ、人の努力を認める度量、人を受け入れる包容力が無ければならぬ。
論じていることが如何に正しくても、その底に人を咎める気持ちがあると、それが聞く人に伝わり、反発心を引き起こすのであろう。その場合、人は暖かさが無いと感じる。そうなると幾ら正しいことを述べても、単なる自己正当化の論理と受け取られてしまう。これは自らが人との間に壁を造り、人を受け入れることを拒否したことに対する反作用である。山本五十六はかって、やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かぬと言った。人を動かすのは、人を認めることから始まる。人を受け入れ、努力を認め、良いところを称える暖かさ、包容力が、人を動かす原動力である。