美濃河野九門徒成立の謎

河野門徒、瀬戸門徒、五坊野門徒の名は場所を示すと言う。そうであるなら、美濃河野九門徒をどう説明すれば良いのか。美濃河野九門徒とは美濃の河野郷の門徒の意味になるが、河野郷は昔尾張であったので、名称が整合しない。河野郷が美濃に移ってからの名称だと言うかも知れないが、美濃河野九門徒の所在地は河野郷でない。
細川道夫氏の『河野十八門徒について』では、「その後、河野惣道場に出勤するようになった美濃河野九門徒を加えて、河野十八門徒と称するようになった。」と述べている。この文章では美濃河野九門徒は既に成立していたことになり、その成立過程や名称の由来は述べられていない。これでは所在地が河野郷でないのに、何故「河野」の名を冠したのか判らない。
「河野」の名は所在地でなく、「河野氏」に関係するのだろうか。