日本相撲協会に関する疑問

横綱とは地位なのか称号なのか。本来は、最高の地位は大関で、その大関の中で特に品格・力量に優れた人に許される称号であった。現在も変わりないのか、それとも大関の上の地位に変わっているのか。この点が曖昧になっているように感じる。協会はこの点を明確にすべきである。
称号であるなら、何勝すれば横綱などと言う昇進基準は有り得ない。昔は30を過ぎないと血の道が治まらないので、横綱にしないと言われた。これは品格を最重視するからである。今は星数だけで横綱に推挙している。つまり、品格・力量の優れた人でなく、単に力量だけを評価対象としている。今回の朝青龍の騒動では品格が問題視されているが、横綱に推挙した時、品格を評価したのか。品格を評価したと言うならとんでもない眼鏡違いを仕出かしたことになり、協会側の目の無さを示す。
朝青龍の過去の行動に十分対処したか。朝青龍の行動をみていると、彼は血の道が治まるどころかまだ子供であると言うしかない。人生で遭遇する山や谷を乗り越えて来たわけではない。今回の騒動が始めて経験する逆境であろう。過去にも問題行動が幾つもあった。それに対して協会も親方も甘すぎたのではないか。その時々に相応の対処をしなかったため、彼は人間としての成長機会を掴み損なった気がする。
今回の騒動への対処は適切だったか。協会の対処に二点疑問を感じる。第一は本人に弁明の機会を与えていないこと。本人を呼んで事実関係を糾明すべきではなかったか。そうすれば協会が何を問題視しているか、彼にも伝わったであろう。彼は未だに問題の本質を判っていないのではないかと危惧する。国技相撲の価値観を掴めないと、将来また繰り返す。第二はあのおしゃべり医師がこのままでは鬱病に推移すると発言したからには、専門医の診断を急ぐべきである。もしも本当に悪いなら、その治療を優先させねばならない。その一方であの医師の勝手なおしゃべりは禁じなければおかしい。患者の症状を外部に洩らすのは医師にあるまじき行為である。個人情報の漏洩にも該当する。協会は迅速かつ適切に対処して貰いたい。
一方朝青龍について言うなら、早く人生の師を見つけて欲しい。