韓国人記者が見たソウル聖火リレー

韓国オーマイニュース市民記者のソウル聖火リレー取材記事が目に止まった。その記者は、中国人留学生が五星紅旗を翻し、「中国万歳」の叫ぶのを、彼らの自負心が感じられ羨ましく思ったと言う。ところが、聖火リレーが始まり、留学生と道路をはさんだ向かい側で、「人権なしではオリンピックもない」と韓国市民団体が声をあげ始めた途端に、中華民族のプライドが「全体主義的な魔女狩り」に変わり、「民族のプライド」は「全体主義」に一変した。あっという間にその場所は、あらゆる暴力が跋扈(ばっこ)する修羅場になってしまった。そして記者は次のように最後を締めくくっている。

中国人留学生たちが自分たちの意思を表現することは、なんら問題もない。しかし、その根底には、相手方の意思表現も尊重する互恵の精神が含まれていなければならない。
自分と違う意見を認めず、平和的なデモに臨んだ人々を、数的優位で押さえつけることは大間違いだ。多様性の価値を重視する民主主義国家では、決してあってはならないことである。
「中華の偉大さ」はよく分かった。「プライド」を叫ぶことも理解する。しかし、民主主義国家に留学し、何かを学びに来たのであれば、最低限その国の法と制度は尊重してもらいたい。
同時に、考えの異なる人々の意思表現を、頑に防ぐ行為は自制してほしい。表現の自由は、暴力の自由ではない。民主主義国家であれば常識だ。
最近の中国の「反西欧・反チベット」の動き。それは感情的な民族主義と画一的な全体主義に移行していると、4月27日、私は肌で感じた。非常に残念で、息苦しい。 

全く同感である。この記者は非常に理性的で何事も良く弁えた人物と思う。韓国人が皆この記者のようであれば、日韓関係は円滑に進展するのだが。