ナダル初優勝、テニス史に残る名勝負

フェデラーナダルの決勝戦は凄い試合だった。両者共に、考えられないスーパーショットの応酬。歴史に残る名勝負だった。今年の大会ではナダルの長足の進歩が印象に残る。
フェデラーは精度の高いサーブが、ナダルは速く、回転の効いた深いストロークが武器。ナダルのこのストロークには流石のフェデラーも手を焼き、ミスが多かった。ナダルはラインぎりぎりの深いサーブをバックとボディに集め、フェデラーに巧打を許さない。この作戦が成功して最初の2セットを連取。第3セットもナダルが押し気味だったが、雨で1時間半ほどの中断の後フェデラーの動きが変わり、フォアへの回り込みをしばしば成功させてタイブレークに持ち込んだ。タイブレークではフェデラーのサーブが冴え渡り、ナダルを圧倒して始めてセットを取った。第4セットも両者サーブをキープし、またタイブレーク。だがこのセットの終盤にフェデラーのサーブの調子が落ち、一時ナダルが4−1とリードしたが、そこからフェデラーが反撃し、一旦はマッチ・ポイントを握られながら逆転して、セットカウント2−2に持ち込んだ。崖っぷちで踏み留まり、逆襲に転じる精神力の強さに感服。
最終セットは余りにも遅くなったので見るのを諦めたが、9−7でナダルが制して初優勝。フェデラーの6連覇は成らなかった。4時間48分のウィンブルドンの最長試合だそうだ。この優勝はナダル時代の幕開けを告げるものだろう。ナダルはどこまで強くなるか、今後が楽しみ。対抗できるものがフェデラー以外に出て来るだろうか。
ナダルフェデラーになお劣る点を挙げるなら、それはサーブの精度だろう。フェデラーはピンポイントのコントロールを持ち、ここと言う場面でエースをびしびし決める。2度のタイブレークフェデラーに取られたのは、サーブの差の表れと言って良いだろう。