漱石の「坊っちゃん」は松山を描いた小説に非ず

NHKの「今日 ここ歩く」と言う番組で、石田なにがし(?)と言う作家が「坊っちゃん」を、青春小説と言っていた。また夏井さんの句会で、「坊っちゃんの 松山嫌い 空っ風」と言う句が紹介されていた。
その番組に出て来た人は皆「坊っちゃん」が松山を描いた小説でないことをご存知ないらしい。「坊っちゃん」の中に松山と言う語は一回も出て来ない。漱石の研究者もご子孫も、「坊っちゃん」は東大教授陣を批判したものであって、松山は舞台に使っただけと述べている。この小説が松山を描いたものなら、松山の悪口ばかり書いたことになる。
漱石が松山を好きだったのか嫌いだったのかは知らないが、「坊っちゃん」を書いた意図を正確に理解しないと、見当違いの言動を繰り返すことになる。