最高裁が犯した逸脱行為

昨日参議院を通過した国籍法の改正は、国籍法の3条1項を最高裁が6月4日違憲と判断したことを受けたものである。稲田朋美議員はその判決を司法による事実上の立法行為として問題視している(http://www.inada-tomomi.com/diarypro/diary.cgi)。該当部分を引用する。

国籍付与は国会の権限
だれに国籍を与えるか、だれを国民として認めるか、これは国にとって基本的かつ重大な問題である。だからこそ憲法10条で国権の最高機関である立法府にその広い裁量が認められている。もちろん、国民は平等に扱わなければならないが、それは本来国民になってからの問題で、だれを国民と認めるかは立法の裁量であり、主権の問題なのである。
現在の国籍法の3条1項を最高裁は6月4日違憲と判断し、この判決を受けて改正案が衆議院を通過し参議院で審議されている。現在の国籍法は、日本人の父が出生後認知した子(母親は外国人)は父母が結婚(準正)してはじめて日本国籍を認め、単に父が認知したにすぎない場合には日本国籍を認めていない。6月4日、最高裁はこの規定が憲法14条の平等の原則に違反し違憲だとした。さらに国籍法3条1項が「父母の婚姻」を要件としているところを無効として、子に日本国籍を与えた。この判決は二重の意味で問題がある。
まず、最高裁違憲とした理由である この規定ができた昭和59年から今までの間の我が国の家族のありかたの変化は、法律を違憲とするほどの変化とはいえない。さらに最高裁が単に違憲を宣言したにとどまらず、勝手に国籍法3条1項を読み替えて、国籍を付与してしまったことは司法権の逸脱である。民主的背景を持たない裁判所による事実上の立法がなされてしまったのだから。

これを読んでも意味が判らなかったのだが、「国籍法違憲判決の問題点」に詳述されており、これを読んで漸く稲田議員が批判する最高裁のとんでもない逸脱行為を理解できた。(続く)