化石燃料を水素に切り換えた暁には

日本の部門別二酸化炭素排出量(2007年)によると、日本で排出する二酸化炭素のうち、33.8%がエネルギ転換部門で、18.5%が運輸部門となっている。エネルギ転換部門とは発電、運輸部門とは自動車であろう。石油を止め水素で発電し、自動車は水素、燃料電池、電気自動車に変ったとすると、凡そ50%も二酸化炭素の排出が減ることになる。ここまで来れば、産業部門や民生部門の排出も当然減る方向に進むはずで、大変乱暴な見積ではあるが、鳩山首相が打ち出した25%を超える削減の可能性が高いことは明白である。
政府が取るべき政策は、個々の企業に排出削減を義務付けたり、排出権取引を導入したりすることでなく、化石燃料から水素への転換を推進することに絞ることであろう。この脱化石燃料に成功すれば、島国である日本は原料を無尽蔵に持つエネルギ大国に生まれ変わる。水素を燃やすことによる雨量の増大が心配だったが、これも乱暴な計算をした結果、どうやらmmの単位と思われ、全然問題はなさそうだ。夢はまだまだ膨らむ。