明治期にも大変な深層崩壊があった

台風12号は各地に大きな災害を齎した。中でも紀伊半島各県は空前の雨量を記録し、深層崩壊を引き起こした。深層崩壊と言えば先年の台湾の事例が思い出される。これは緩やかな斜面で山崩れなど全くの想定外だったと記憶する。深層崩壊は近年あちこちで起きているが、最近になって判ったものと思っていた。
ところがそうではなく、明治22年8月に奈良県十津川村で大規模な深層崩壊が発生していたことを知った(ココ)。この時は総崩壊土砂量約2千万㎥、死者約1,500名に及んだと言う。地球の長い歴史の中で深層崩壊が屡起きていたのは当然だが、深層崩壊という現象を明治期に既に明確に認識していたとすると、ある種の驚きを覚える。それにしても死者1,500名とは絶句するしかないが、どこでどの範囲で崩壊したのだろうか。詳細を知りたくなった。
山はいつか崩れる。これは避けられないが、それを予知することは出来ないものか。神でないと判らないのだろうか。