伊方原発が規制委審査合格

「伊方原発に「合格証」 規制委が了承 川内、高浜に続き3カ所目 再稼働は今冬以降に」

原子力規制委員会は20日の定例会合で、四国電力伊方(いかた)原発3号機(愛媛県)について、事実上の合格証となる「審査書案」を了承した。21日から30日間の意見公募(パブリックコメント)を経て7月上旬にも決定する。再稼働は今冬以降になる見通しだ。

規制委が審査書案を了承したのは、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)、関西電力高浜原発3、4号機(福井県)に続く3カ所目。規制委の田中俊一委員長はこの日の会合で「(規制委として)引き続き、きちんと審査に取り組んでいきたい」と述べた。

審査書案(約430ページ)は、「施設の設計基準」と「重大事故対策」の大きく2つに分けて記載。基準地震動(想定される最大の揺れ)の設定で、四電は当初の570ガルから650ガルに、基準津波(想定される津波の高さ)も4・09メートルから8・12メートルに引き上げた。

基準地震動を引き上げたことで耐震設計を大幅に見直したため、事故時の前線基地となる「緊急時対策所」を新たに建設し、今春に完成させた。

火山対策では、厚さ15センチの火山灰が降り積もっても安全性に問題がないことを確認。竜巻対策としては、想定される風速を秒速69メートルから国内最大級を考慮して同100メートルに引き上げ、飛来物から重要設備を守る防護板なども設置するとした。こうした対策が認められ、審査書案では伊方原発が新規制基準に「適合しているものと認められる」と結論付けた。

今後、必要があれば審査書案を修正。その後、機器の詳細な設計などを確認する「工事計画」と、運転管理体制を確認する「保安規定変更」の認可審査に入る。数カ月の使用前検査を経て、地元の同意を得た後、再稼働を果たす。

四電は平成25年7月に伊方原発3号機の審査を申請し、これまで70回以上の審査会合が開かれた。

南海地震に対しては確かに四国電力の想定で十分かも知れない。問題は中央構造線が動いた場合で、基準地震動が650ガルとは寝ぼけた想定で、高知大の岡村教授が言う通り論外の甘さである。また、震源が直ぐ目の前で、p波とs波の到達時間差が殆ど無いため、p波を検知してから制御棒を投入する時間が無い。つまり核反応を止めることが出来ない筈だ。この点に関する四国電力の見解を聞いたことが無い。それでも安全と言えるのか。
伊方原発にもしもの事態が生じたら、少なくとも瀬戸内は壊滅的被害を蒙ることになるだろう。福島原発の被害を遥かに越える事態が予想される。原子力規制委員会の審査も信用ならない。