水谷隼と馬龍の一戦

面白い試合だった。最初の3ゲームは馬龍が一方的に水谷を翻弄した。水谷は馬龍に対抗するためにはどうすれば良いのか、色々と試したがどれも上手く行かず、3ゲーム共5−11で失った。これでは手も足も出ず、次のゲームでお終いかと思ったが、何とそこから水谷の反撃が始まった。
第4ゲームは中陣からの攻撃に切り換えたようで、水谷の強打が功を奏し、ゲームの主導権を握った。すると馬龍は固くなったのか馬龍の球が入らなくなってしまった。第5ゲームも競りはしたが馬龍の調子は戻らず、水谷が取り2−3となった。第6ゲームに入り、1−2となった次、猛烈な打ち合いとなり、水谷の強打が馬龍のバック側、台から僅かに外れてしまい、この打ち合いを馬龍が制した。これで馬龍は固かったのがほぐれ、一気に調子を取り戻し、水谷の勝機は去った。この一打がほんの1cmか2cm台側に飛び、サイドラインぎりぎりに入っていたら、恐らく馬龍は取ることが出来ず、固いまま推移し勝負はどうなっていたか分からない。
この一打が勝敗の分かれ目であったと言えよう。ほんの1〜2cmが勝敗を左右したのだから、運命の悪戯と言うほか無い。