前例の無い豪雨も一服

過去に例の無い豪雨も漸く止み、久しぶりに青空が顔を出した。
広島県岡山県に次いで愛媛県も大きな被害を出した。愛媛では宇和島市大洲市の被害が大きかったが、大洲市は他地区と様子が異なり、肱川の氾濫による洪水被害であり、水が2m程も上がった地区も有ったらしい。しかも水かさが一気に上がったようで、逃げる間も無く命を落とした人も居ると言う。
このように急に水かさが増したのは、野村ダムの放流によるものと見られる。ダムが満杯になったため、流入する量だけ放流せざるを得なくなり、それで肱川の流量が一気に増大し、あの氾濫を引き起こしたようだ。
今回の連日の豪雨は過去に経験したことが無いものであったので、野村ダムの管理を誤ったと責めるのは酷かも知れないが、事前にダムを空にしてあったら、肱川のあの酷い氾濫は防止できたのではなかろうか。しかしダムを空にしたが雨が思った程降らなかったら、その場合には夏の渇水に見舞われることとなる。そう考えるとダムを事前に空にする決断を下すことは非常に難しいだろう。
それを補うには海水淡水化装置を設けるしか有るまい。それには多額の費用が掛かる。しかし、今回の肱川の氾濫による被害を防止できるなら安いものでは無かろうか。この装置を設けることにより、未曾有の豪雨が予想されるときは思い切ってダムを事前に空にする決断を下せるようになるだろう。
地球温暖化のせいか、過去に例の無い現象が色々と起きている。それに対処するには、相当に思い切った手を打たねばならない。今回の日本全土に跨る期間の長い大雨は、我々の考え方を根本から改める必要があることを示すものと思う。