伊藤美誠の凄まじい進化

伊藤美誠選手がスウェーデン・オープンで自分よりランキング上位の中国3選手を破って優勝したが、今日その動画を観て驚いた。伊藤選手は大会中に物凄い進化を遂げたようだ。
伊藤選手は準々決勝と準決勝を逆転で苦労して勝ち上がったが、決勝は何と一度もリードされること無く4−0で世界ランク1位の選手に圧勝してしまった。この3つの試合の間に何かを掴み、一皮剥けたようで、3つの試合の始めと終わりで丸で別人となった感じだ。
順々決勝ではゲームカウント1−3から逆転して勝ち、準決勝では最初の2ゲームを良い所無く取られたが、第3ゲームを先行されながらも8−10から4本連取して逆転で奪った。このげーむが転機となたようで、その後は人が変わったように主導権を掴んだまま離さずに相手を圧倒して勝利した。決勝戦はそのままの勢いで相手に試合をさせず、伊藤選手がミスった時だけ相手に得点が入ると言う展開で、相手がポイントを奪った場面は2回だけじゃ無かったか。この経過を見ると、準決勝の第3ゲームを競り勝ったことで伊藤は何かを掴んだように見える。それで一段上の境地に登ってしまったように見える。そして美誠パンチも以前と較べ強くなったように思う。以前は打つタイミングの早さが特徴だったが、今は球のスピード、強さが加わり、スマッシュと同等な打球となったように見える。つまり、タイミングの早さに打球の強さが加わり、一層受け難い打球となった。更に美誠パンチを打つ頻度が格段に上がった。相手の球が一寸でも甘いと、フォアもバックも早いタイミングで台上から強打を見舞い、それがびしびし決まる。そのプレイを見ていると、剣豪や剣聖と言われた人達の無の境地を掴みかけているのではないかと感じた。我々素人でもボールが大きく見えたり停まって見えたり、時にはボールの軌跡が残像なって見えることが有る。そういう場合は先ず間違いなく痛打出来る。常時この境地に居られればその人は達人である。伊藤選手は準決勝の第4ゲーム以降はこの境地に近かったのでは無かろうか。いつもその境地で戦うことが出来れば、世界チャンピオンは間違い無い。一層の精進を望む。