山の保水力を回復させるには広葉樹林の再生を急ぐべし

以前祖谷の古老が「祖谷には自然は無い。祖谷の山林は全部杉じゃないか。」と語ったと何かで読んだ。古老の言葉通り祖谷で見た山林は悉く杉林だった。針葉樹林の保水力は広葉樹林と比べ遥かに劣ることは良く知られた事実。更にブナ林に覆われた白神山地では、どんなに雨が降っても水が濁らない。これはTVで放映していた。その番組では、地表が枯葉に覆われているので、雨が直接地面を叩くことがないので地表が固くならす、雨は全部地中に滲み込んで行くからだと説明していた。針葉樹林では雨が地表を叩くので土が固まり、降った雨は地中に滲み込むことが出来ずに流れてしまうのとの違いである。
一方、山火事が起きると、針葉樹林で消し止めることは殆ど不可能で、火を食い止めるのは広葉樹林だと言う話も聞いたことがある。広葉樹林は動物の餌も多く、原生林にまで達したら維持に人手も不要となる。
維持に困っている杉林から広葉樹林への転換を一日も早くスタートし、原生林の再生を図るべきである。治山なくして治水は無い。