吉野家が死守する文化「江戸の粋」

昔は喫茶店でもレストランでも目配り、気配りがしっかりしていたが、いつの頃からかそのようなものは完全に消えてしまい、昨今では誰も客を見ていない。そのような風潮の中にあって吉野家は違うようだ。
吉野家の安部社長は「築地で生まれた吉野家には、伝統的に醸し出してきたひとつの文化がある」「大事にしたい文化とは、サービスで言えば、お客さんと目線を合わせなくても、お客さんの動作の一部始終を把握しているといったことですね」と語り、「たとえば、客がお茶を飲むとき、角度が高くなれば、それはお茶の量が少なくなっている証拠。すかさずお茶を追加する。客が食後に胸ポケットを探れば、それは薬を取り出す仕草。すかさず水を持っていく。つまり、客から要求されるより先に、客の動きによって求められるサービスを察知し、要求を満たす。」ことだと言う。
これこそ大方の店で失われてしまった目配り、気配りであり、吉野家はそれを頑なに守っているわけで、吉野家が生産性を犠牲にしてまで死守している文化とは、安部社長によると「江戸の粋」だとのこと。このような店が今も存在するのは嬉しい限り。吉野家を応援したくなった。(詳しくはココを参照。)