小池百合子の大失策で振り回された選挙

今回の衆議院議員選挙は、或る意味小池百合子の失策で大きく振り回された感がする。小池は東京都議会を支配していたボスの専横政治をぶち壊し、今回は保守から社会党左派までごちゃ混ぜのわけの分からぬ民進党をぶち壊し、政党を保守か左翼か明確に分かるように整理した点、功績は非常に大きい。しかし、自分で発言を誤ったため、希望の党の勢いを削ぎ、衰退の一途を辿っていた民進党の残滓だった筈の立憲民主党に躍進のきっかけを与えてしまった。
希望の党民進党離脱者を受け入れるに際し、小池は「選別し、リベラルを排除する」と言った。これが大失敗の根源で、この発言には二つの誤りがあると思う。第一は「同じ考えの人、同志を糾合する」とでも言えば良かったのに、排除すると言ったため、一気に反発を買ってしまった。この言い方は上から目線であり、思い上がりと受け取られる。今一つは排除対象をリベラルと評したことである。リベラルとは右とか左とは別の概念であるのに、小池の言い方では左翼がリベラルと言うことになってしまい、事の本質を隠してしまった。左翼政権の国に自由があったか、No.である。だがこれにマスゴミが飛びついて希望の党から排除された連中は筋を通したかのように美化して喧伝した。その結果が立憲民主党の躍進である。立民党は何もしていないのに、この結果を得たのは、まさに棚から牡丹餅である。
自民党議席数を減らさずに済み、改憲勢力が自公希維4党併せて370程になったのも、民進党崩壊で野党連合が出来なかったためであるなら、これも本来なら小池の功績だろうが、一つの失策で全部飛んでしまった。このような状況は小池の一言から始まったことを思えば、誠に唇寒き秋であった。