安易な妥協をしなかったのは良い

 今回の米朝会談で、トランプ大統領が安易な妥協をしなかったのは正解で、安堵した。第一回会談の後、金正恩が非核化を実行する前から見返りを要求し出した。自分がやるべき事をやる前に見返りを要求するのはどう言う心算か、意味が分からなかった。文在寅はそのお先棒を担いで制裁緩和をあちこちで提唱して廻っていたらしい。だがそんな身勝手な一方的な話が成り立つ筈は無い。非核化を進めるには先ず工程表を作り、その工程表に基づいて実行し、査察・検証を経て進めて行かねばならぬ。そのような行為は全然行われていないのに、見返りとして制裁の一方的な解除を要求するのは、相手を見くびっているのか、交渉と言うものを全く理解していないのか、トランプ大統領に甘えているのか、何かを読み違えていたのか、全く理解できない。

 トランプ大統領がここで妙な恰好付けをして妥協してしまったら北朝鮮側の思う壺で、又、前と同じ結果になる所だった。安易な妥協をせず、会談を決裂させたのは上出来で、金正恩は当てが外れ、青くなったのではなかろうか。非核化など全然やる気はなく、見返りだけ取る心算が駄目で、非核化を実行しなければ制裁解除は無いと宣告されてしまった。

 金正恩は見返りを先に要求すると言う素人でもやらない失敗を何故したのだろうか。誰かが甘っちょろい間違った情報を吹き込んだのだろうか。この点がどうにも分からない。もう一人、文在寅も青くなっただろう。予想が100%狂い、そのせいか、3.1節では日本に擦り寄るような言葉を述べた。我が国としては非韓三原則に則りながら、詰まらぬ妥協を避け、瀬取りなど不当行為を厳しく監視し、経済制裁発動も辞さない構えで行くべきだろう。