芝の王者フェデラー4連覇

勝戦は素晴らしい試合だった。第一セットは別として双方が妙技の応酬で、見応えのある一戦だった。フェデラーは打球の速さ、正確さ、球種の多さ、試合運びの上手さ、コートカバーの広さ、相手の打球の読み、どれを取っても完成の域に近い。対するナダルはコートカバーの広さでは最高だろう。両者とも信じられない切り返しを連発。その中で驚くのはフェデラーのショートバウンドで強打する技術。普通ならブロックするのがやっとなのに、ラケットを振り切ってエースにしてしまう。もう一つは、サーブでも相手が打つ寸前に球が来る位置に先回りする読み。ナダルのフォームに何か癖があるのかと、注意して見ても判らない。天才と言うべきだろう。ナダルはまだ20歳になったばかりで、ウインブルドンの決勝は初めてだが、芝の打球に次第に慣れ、一時は押し気味で逆転なるかと言う雰囲気を見せたのは立派。今後が楽しみな選手で、フェデラーナダルの時代到来を予感させる。