早実と駒大苫小牧緊迫した決勝戦

早実が斎藤投手の4連投で逃げ切り、初優勝。斎藤投手のピッチングは高校レベルを遥かに越えている。最終回の最後の打者に146km/hの速球を投げ、三振を取った球も144km/hの快速球。昨日も投球数が160球を越えてから140km/h台後半の速球を連続して投げていた。一番驚くのはコントロールの素晴らしさで、球数が非常に少ない。そして2ストライクの後は、殆どがボールになる落ちる球で空振りさせている。ワンバウンドする球を確実に捕球するキャッチャーの技術も凄く、それが斎藤投手の快投を引き出している。プロでも新人投手ではなかなか出来ない芸当で、その意味ではプロ級の投球術と言って良い。
駒大苫小牧は斎藤投手の快投に屈したが、球が少しでも浮くとすかさず打ち込んだ打力は素晴らしい。9回の表に変化球が浮いた所を先頭打者が痛打し、次の打者も同じく浮いた球をスタンドに叩き込み、1点差に追い上げた。苫小牧の打線は斎藤投手と言えども、コントロールが狂ったら抑えられないことを見せ付けた。監督が斎藤投手に負けたと語っていたが、その通りだと思う。苫小牧の田中投手も高校レベルを超えている。大会初戦は不安定だったが、次第に調子を取り戻し、決勝戦の二試合は緊迫した投手戦を展開したのは見事であった。
一方打線も両校とも相手投手の球が少しでも甘くなるとすかさず痛打したが、これも素晴らしい。投手も打線も共に持ち味を存分に発揮し、一方的な試合にならず、最後まで勝負の行方が判らない緊迫した好ゲームを展開した両校に拍手を贈る。