農林業と環境を一体化した政策を

今回の金融危機に対し英国はいち早く対策を打ち出した。一時老大国と言われ、衰退した国と看做されたが、今は何事にも素早く対応し、活力を蘇らせた感がする。その英国は農林業と環境対策を一体化し、省庁も再編して取り組んでいる。一人の議員が提案した、「環境の整備・保全に貢献する人には報酬を払うべきだ」と言う考え方に基づく由。農業や牧畜に従事する人々が、その場所、場所で農業や牧畜を通して環境の整備・保全に努めて貰い、それに対して然るべき対価を払う。所得補償ではダメなことは、日本の農業保護政策の失敗が証明している。所得補償でなく、農業や牧畜を環境問題と一体化して扱い、それぞれの努力に対して妥当な報酬を支払うと言うのは、新しい取り組みであろう。フランスも随分前から景観を維持する名目で農家に報酬を払っている。フランスは実態は農業に対する補助金だと批判されていたが、それを一歩進めた英国のやり方は注目すべきだと思う。兎に角農業が引き合うようになれば、自ずと道は開けて来る筈だ。