なでしこジャパンの待遇に衝撃との記事

米国のニュースサイト「newsjunkiepost」では、なでしこジャパンの待遇について衝撃を受けたと記していると言う(ココ)。
まずW杯に選ばれるなでしこジャパンの多くの選手がプロではなく、W杯のためにアマチュア選手から選抜されていると紹介しているそうだ。要するに日本には、国が支援する公式女子サッカーチームがないことを意味し、選手は収入をサッカーで得るのでなく、他の仕事で稼いでサッカーを続けているのだと筆者は語っているらしい。そして日本ではプロの男子サッカー選手と女子サッカー選手との格差は非常に大きく、あまりにも不公平であり、女子サッカーの日本での待遇は、日本社会で女性がいかに扱われているかを反映しているとし、日本サッカー協会は今回の勝利で女子サッカー選手の待遇を改善するのだろうかと述べているらしい。
格差が大きいことは事実である。だがそれは意図的に差別しているのではないと思う。プロ野球では今は年に数億円も稼ぐ選手がいるが、これとて始めから高給を取って居たのではない。戦後間も無い頃は遠征には夜行列車の床に茣蓙を敷いて寝たりしていたのである。プロ野球の収益が大きくなるにつれて選手の報酬も上がって来たのだ。今でも四国アイランドリーグの選手の報酬は、極めて安い。収益が上がってこそ報酬も高くなるのは理の当然である。
なでしこジャパンの優勝ボーナスが150万円だったのを増額することにしたそうだが、その財源は男子サッカーが稼いだ金を廻すと聞く。現状では女子サッカーで収益は上がらないのだから、日本サッカー協会としてはボーナスを増額するには、それしか手段はあるまい。日本中を興奮させ、歓喜の渦に巻き込んだのだから、サッカー協会の措置は良かったと思うし、反対は無いだろう。
しかし、ほかから金を持ってくると言うやり方は長くは続かない。女子サッカー選手の待遇を改善するには、女子サッカー自身が高収益を上げられるようにしなければならない筈だ。今回のW杯優勝はその方向に舵を切る願っても無い機会である。なでしこジャパンとは良い響きだ。大和撫子がサッカーでも高収入を得られるように、女子サッカーが大いに発展することを祈る。
最後に、サッカーにおける男女の収入格差は、差別意識から生じたものではなく、収入の男女差をすべて男女差別に起因すると即断するのは余りにも皮相的な考えであると思う。