アメリカは中華思想を判っていない

安倍首相の靖国参拝に対し、中国と韓国がぎゃあぎゃあ言うのは予想した通りだが、アメリカの反応には聊かがっかりした。アメリカはと言うかオバマ大統領はと言うべきか知らないが、靖国参拝は周辺国との間の緊張を高める行為で失望したと非難した。アメリカは十月にケリー国務長官ヘーゲル国防長官が揃って、千鳥ヶ淵戦没者墓苑を訪れ献花した。これはアーリントン国立墓地に相当するのは千鳥ヶ淵戦没者墓苑だと位置づけようとしたものであったと推測する。つまり、安倍首相に靖国神社に参拝するなよと言うアメリカの意向を示した心算だったのであろう。
もしそうだとしたらとんでもない内政干渉であるし、日本人の意思をアメリカが指図しようとするのは、思いあがりも甚だしい僭越行為である。更に靖国に参拝しなければ穏便に事が進むと考えているなら、それは大間違いだ。小泉さんの後、どの首相も靖国参拝をしていない。それで事態は良くなったか。否である。中・韓の日本に対するいちゃもんは靖国には関係ない。
中国は古より中華思想に凝り固まっていて、意識的か無意識にかは知らないが華夷秩序を構成しようとする。かって中国の掲示板で「どうすれば日本は我が国に従うようになるか」というタイトルのスレッドが立てられたことがある。これなどは彼らの意識を端的に物語るものであろう。韓国はこうであって欲しいと言う願いででっち上げた歴史を真実として認めよと押し付けようとするのみ。歴史問題は中・韓共に歴史研究の王道を無視した捏造を声高に叫ぶばかり。靖国参拝など単なる口実に過ぎない。
英国紙が「過去に参拝した小泉純一郎首相在任時よりはるかに緊張が高まっているこの時期の参拝は一層挑発的な振る舞い」と指摘したそうだが、これもアメリカ同様判っていない。我が国は事の本質を判らせなければならないが、どうすれば良いのか。痛い目に遭わないと判らないのかも知れない。かってマッカーサー朝鮮戦争を戦って初めて朝鮮半島満州地政学的意義を理解したのではなかろうか。帰国後、前大戦は日本にとって自衛戦争だったと述べたのは、この経験があってのことと推測する。
ロシアの批判はソ連の条約を一方的に破って火事泥場泥棒をやってのけた破廉恥行為を覆い隠し、自己を正当化しようとする意図が丸見え。
こうなると思い出されるのは、ブッシュ大統領が訪日した際、靖国神社に行くとと言ったのを、明治神宮に変えて貰ったと報じられていたが、あの時もし靖国神社に行っていれば、アメリカは今回の非難は言えなかったはず。惜しいことをしたものだ。