錦織4回戦に進出、ジョコビッチはサム・クエリーに敗れる

ジョコビッチがランキング41位で28シードのサム・クエリーに敗れるという波乱が起きた。サム・クエリーはランキング41位ではあるが高速サーブの持ち主で、31個のサービス・エースを決めたと言う。ジョコビッチのサーブも速いので、サービス合戦が展開されたのではなかろうか。ビッグ・サーバーのサーブが好調の時は、そのサービス・ゲームをブレイクすることが極めて困難なため、上位の選手でも敗れてしまう。錦織選手がその高速サーブ無しでランキング6位を保っているのは本当に凄いことで、サービス以外の技術は世界のトップレベルと言ってよい。
その錦織選手は三回戦でロシアのアンドレイ・クズネツォフ(42位)を3−0で降し、4回戦に進んだ。第3セット開始早々に雨による中断があり、調子を崩し掛けたが、二回目の雨による中断でリズムを取り戻し、以後危なげ無く押し切った。今年の錦織は一段と円熟味を増したように見える。前日のデル・ポトロとバヴリンカの試合が強打の応酬で、剛と剛の対戦と見えたのに対し、錦織のプレイは柔らかく、そして時に鋭くと、緩急を織り交ぜた円熟味の溢れた試合振りと感じた。これは買い被りだろうか。あと欲しいのはサーブのスピード。テニスの神よ、錦織に200kmを超す高速サーブを授け給えと祈るのみ。