松山市の水問題に対する姿勢に疑問

1週間か10日ほど前と3日ほど前の愛媛新聞に、水問題に関する投書に対する松山市の見解が載っていた。
前者は海水淡水化に関する松山市の見解を述べたもので、海水淡水化はコストが掛かり過ぎることを理由に採用を考えていないと言い、後者は安定的な水源確保を目指して黒瀬ダムからの給水実現に努力すると言うものであった。
安定的な給水源確保は当然の目的であるが、松山市が頼りにしている黒瀬ダムは、大渇水の時でも十分な水を蓄えている保証はあるのだおうか。回答ではこの点について何も言っていない。また前者の文中に、諸外国の中では海水淡水化を使っているところもあると「聞いているが」とあったが、この言葉は実状を調べるなどはしていないことを示しているように聞こえる。
松山市の2回にわたる回答では、黒瀬ダムに頼って目的を完全に達成できるかどうか不明であり、しかも他の選択肢との比較もなされていない。毎年異常気象が酷くなるのを思えば、黒瀬ダムも水が無くなる事態が来ないとは断言できまい。そのような事態に備えるには、海水淡水化しか方法はないであろう。現在では確かにコスト高であるが、この技術は他の用途にも使えるので、将来を展望した場合、少しずつこの技術を確立するよう目指すべきではなかろうか。
和歌山県は水事情が今後ますます厳しくなると予想し、行く行くは水ビジネスに乗り出そうと取り組んでいる。松山市も単に不足する水を補うと言う発想でなく、和歌山県のように将来展望に立って水問題に取り組むべきである。