伊方原発の基準地震動は大甘

四国電力伊方原発の基準地震動について、やっと1000ガルという値を視野に入れ出した。中村知事が公式な報告とは別に、1000ガルに耐えるようにすることを求めていたのに対し、1000ガルに耐えるよう補充工事を進めていると答えたらしい。四国電力は最初基準地震動を570ガルとしていたことを思うと、1000ガルを視野に入れたのは大きな変化だが、正直言うとまだ大甘である。
神戸では阪神・淡路大震災で2000ガルを記録し、岩手・宮城内陸地震では4022ガルを記録している。中央構造線は世界最大級の大断層であり、神戸の地震では断層が64cm動いたに過ぎないが、中央構造線の過去の動きは2mに達する。高輪山系と四国山脈を分断したのも中央構造線。これが動いたら地震動は1000ガルで済む筈はない。
事実を直視しようとしない四国電力原子力規制委員会の態度や考え方は理解に苦しむ。伊方原発にもしもの事態が発生したら、被害は少なくとも瀬戸内海沿岸の全府県に及ぶ。更に、伊方原発中央構造線に極めて近いので、制御棒を投入する時間的余裕が無い。
伊方原発はどう考えても動かすべきではなく、廃炉にするしか道は無い。