早くも襤褸を出した「麒麟が来る」

 NHK大河ドラマの歴史ものは昔から出鱈目が多いが、「麒麟が来る」はもう襤褸を出した。

 今日の第二回目では織田信秀が美濃に攻め込んできた場面だが、大きな間違いが二つも有った。第一は織田軍は2万の大軍で押し寄せたと言う。信秀の時代に2万も動員できたなら、今川との闘いに苦労することは無かった筈。信秀は織田の本家ではないので、尾張の一部を領有していたに過ぎない。信長はかなり勢力範囲を広げたが、それでも桶狭間合戦の頃に動員出来たのは三千位に過ぎない。信秀が2万の兵力で美濃を攻めたとは聞いて呆れる。

 第二は木曽川が再三出て来たが、信長も光秀も木曽川は見たことが無い。木曽川は信長が死んだ4年後の大氾濫で出来たのであって、木曽川尾張と美濃の国境としたのは秀吉である。それまでは岐阜市の南を流れる境川が国境であった。境川は上記大氾濫前後で大きな流路変化は無かったようである。従って信長や光秀が生きている間に木曽川が出て来るのは、麒麟が来るの作者が歴史を知らないことを物語るものである。