伊方原発訴訟

愛媛を中心とした16都県の住民ら300人は8日、四国電力高松市)の伊方原発3基の運転差し止めを求める訴訟を松山地裁に起こした。伊方原発の最大の危険要素は、日本最大級の断層である中央構造線が僅か6Kmの沖合いを走っていることである。このように非常に近いので、地震を検知してから揺れが到達するまでの時間差が無く、そのため地震が来るまでに核分裂反応を止める制御棒を挿入することが出来ないので、原発が暴走する危険があると主張している。これは尤もな主張である。制御棒を挿入出来なければ、原発の安全を保つためには核分裂反応を先ず止めなければならないが、その第一歩が不可能であることを意味する。四国電力はこの問題提起をどう受け止めるのか。
更に四国電力が想定する揺れの強さが大甘であることが問題である。四国電力は揺れの強さとして最大で570ガルを想定し、ストレステストで1000ガルまで耐えることが判ったので安全としている。しかし、神戸の地震で2000ガルを越える値を記録し、中越地震で3000ガル以上、そして今までに記録した最大値は4000ガルと聞く。中央構造線が動いたら四国の震度は6+から7と予想されている。この震度で1000ガル以下の筈はない。
四国電力がストレステストで1000ガルまで耐えると発表したが、これは1000ガルを超えたら耐えられないと言う意味ではないのか。四国電力伊方原発の運転を再開したいのなら、同原発が3000ガルや4000ガルの揺れの襲われても大丈夫だと言うことを証明する義務がある。四国電力のまともな見解を聞きたい。
四国電力伊方原発に対する対応を見ていると、福島原発の事故から何かを学んだ形跡が全く認められず、危なくて仕方無い。そんな状況が続くようでは、伊方原発を直ちに撤去しろと言いたくなる。今度の裁判は前のような原発推進の論理をそのまま通すことはないだろう。四国電力は判っているのだろうか。