伊方町長も原発再稼働に同意

伊方原発の再稼働問題は、先に原子力規制委員会と政府の閣僚が視察し、安全対策が進んでいることを確認したなどと恰好付け発言を行い、それを受けて伊方町長が再稼働止む無しなどと発言したことを以て、知事が再稼働に同意するお膳立てが出来たらしい。ここに至るまで本質的な議論は無く、専門家が色々と問題提起しても肝心なことは総て無視し、益のない形式論議に終始し、再稼働に同意する形式的お膳立てを作り上げた。
高知大の岡村教授が18日の大洲市での講演会で、原発は原子炉を『止める』『冷やす』『放射性物質を閉じ込める』ことが出来なければならない。だが震源が近いと『止める』ことが出来なくなると警告したそうだ。伊方原発の僅か6km沖合に中央構造線が走っている。これが震源となった場合には、震源が近すぎるためp波とs波の到達時間差が殆ど無い。そのためp波を検知して制御棒を投入しようとしても直ぐにs波が到達してしまい、制御棒の投入が全然間に合わない。つまり『止める』ことが出来ない。柏崎原発福島原発震源が遠かったので、s波がやって来るまでに制御棒の投入を完了し、原子炉を止めることができたが、伊方原発の場合は事情が違う。伊方原発にとっては南海大地震より中央構造線震源とする地震が問題である。
だが伊方原発の再稼働に関し、この点の議論を聞いたことがない。国が責任を持つと言ったとか、誰それたが視察したとか、手続き論議ばかりで、本質論議は頬かむりのまま。全くお寒い話だ。中央構造線が動いたらその被害は福島原発事故の被害を遥かに上回るだろう。伊方原発は即時廃炉とするしかない。