ぶらたもりの松山編は物足りなかった

昨夜とその一週間前と二週にわたってぶらたもりが松山にやって来た。ぶらたもりは面白く、松山をどのように探訪して呉れるかと楽しみにしていたのだが、残念ながら今一歩の掘り下げがなく、物足りない出来だった。
道後平野は伊豫川(現重信川)と湯山川(現石手川)の二本の暴れ川が氾濫を繰り返していた。松山城を築くに当たっては先ずこの二つの川を安定させなければならず、その難事業を加藤義明の命を受けた足立重信が苦心の末、見事にやってのけ、今の安心して住める松山平野を造り上げた。その業績の掘り下げが無く、表面をさらっと撫でただけに終わってしまい、何の感銘も残らなかった。岩堰の工事の説明も部分的に過ぎ、物足りなかった。二回目には湯築城まで行きながら、戦国時代の城と言っただけで、今の松山市との関わりも、河野氏が果たした役割に対する突っ込みもなかった。また道後温泉が非火山性の温泉と言いながら、道後地区が地温が高い特異地区であることに触れなければ、岩の裂け目から上って来た水が湯になる理由が判らないだろう。
そして松山城にも湯築城にも行きながら、どちらも国の重要文化財であり、日本百名城に入っていることに関しては全然触れなかった。中世の城跡は高度成長期の宅地開発ブームで殆どが潰された中で、松山は中世と近世の二つの時代の地域の中心の城を両方とも残す珍しい例であり、それが松山の街づくりにどれほど潤いを齎しているかに触れて欲しかった。更に言うなら、松山は縄文時代から現代に至る各時代の痕跡を色濃く残しているが、これも稀有の例では無かろうか。
折角のふらたもりが中途半端な形で終わってしまい、何とも惜しい気がする。好きな番組であるだけに、残念でならない。